行方不明の友

            

僕が高校2年生のころ同じクラスでいつも一緒に下校していた仲良しの友達が突然学校に来なくなった。
無断欠席をするようなやつでもないし何があったのか心配になって携帯にかけるも繋がらない。メールの返信もない。
そして3日後学校で緊急HRが行われ「友達の行方が分からなくなり捜索願が出されている」と担任から伝えられた。
行方不明になった友達、仮に高橋とする。
その日の放課後、高橋と仲の良かった僕は担任に呼ばれ相談室に入り担任と学年主任の先生、そして教頭先生と高橋の母親と話し合いをした。
「何か心当たりはないか」「変わった様子はなかったか」「落ち込んだり、悩んだりしていたことはなかったか」など質問攻めにあったけれど分からない。高橋はいつも通りの高橋だったしある日当然いなくなるなんてありえなかった。
それから学校では高橋の話題で持ち切り、仲の良かった僕は普段しゃべらないクラスメイトや他クラスの同級生から執拗に話しかけられ毎日にウンザリして学校に行くのが嫌になり一週間学校を休んだ。どうせ学校では僕まで行方不明になったとか失踪しただの盛り上がっているに違いない。誰も高橋のことを心配なんてしていない、高橋の行方不明を話しのタネとしか思っていない奴らを心底軽蔑した。
そして僕はこの一週間で高橋と一緒に帰った色々な場所を見て回った。何かを期待していたわけでもない、暇だったから。高校2年からの付き合いで長い間一緒にいたわけでもないけれど自然と思い出がよみがえる。涙が止まらなかった。

「高橋・・・どこにいるんだよ」

そう嘆かずにはいられなかった。

そしてあれから5年の月日が流れたけれど高橋は今も行方不明のままだ。
高橋の母親は今も懸命に探している。
だから
どうか
僕のことはどうでもいいから生きているなら母親に会いに行ってくれ。

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